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Sound of Water

Cafune の庭には、小さな水場がある。   緑の景色に水の音がすると、 こんなにも心地良いのかと思う。   風の音に、水の音。 雨とは違う、水の音。   毎日、ガビチョウが水浴びにやってくる。   先日、室内から眺めていたのだが、 私の視線にはまるで気づかず、 私は、しばらく鳥の時間に触れさせてもらった。   覗き見ているようで少しドキドキした数分間だった。           photo: Kentaro Kumon

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サフランのラグ – Saffron rug

鎌倉に住みはじめて、床の使い方が変わった。   床は、空間の中でも、その生活環境や文化によって大きく違ってくるだろう。 フローリングや畳、カーペット、土間。 ちゃぶ台なのかテーブルなのかでも、床との関係性は変わる。   小さい頃からミシミシと音を立てるような板床が好きだった。 東京に住んでいた時は、カーペットを好んでいた。 (フローリングは大体均一なもので、ミシミシ言いそうな床ではなかったし) 逗子に数年住んだ時は、海の前だったこともあり、湿気を気にして すっきりフローリングにした。   そして、鎌倉。 自宅は、フローリングと大判のタイル床と畳。 カーペットはどうも合わない気がしたから、諦めはついたが、 ある時、ラグを敷くようになったらハマり、どんどん増えていった。 敷いたところだけ、ぽっと空間が生まれるのが面白い。   Cafune は1階のほとんどは、土間のようなモルタルの床になっている。 築95年の建物ととなると、気密性が高いわけではないのと、 外の中を繋げるようなイメージを持っていたので、 テラスとひと繋がりの景色になるようなグレーのモルタル。   そこに、やはりラグを敷いてみたら、一気に雰囲気が変わり、 まとまり、空間ができた。   ちなみにこのラグは、昔はもっと派手な色味だったよう。 古いものを洗浄し整えて、最後にサフランで仕上げだものだそうで、 柔らかいサフラン色に包まれているのだ。 フリンジの黄色が好き。           photo: Kentaro Kumon

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SUGICODAMA

触っていると落ち着く、不思議な力を秘めたスギコダマ。 アートピース、オブジェであり、お守りのような存在でもある。   そのスベスベとしたなめらかな表面の質感は、 たしかに手で触れているのに、この世のものと思えないほど。 何度も何度も、またたしかめたくなって、私は触れる。 知る由もない、果てしない時を想像しながら。   手のひらの、時間と永遠。   作者は、造形作家の有馬晋平さん。 https://arimashimpei.com/         photo: Kentaro Kumon    

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話す屋久杉

樹齢何千年の命に触れる瞬間を想像しながら、 もうずいぶんが経つ。 屋久島は、私にとって、未だ憧れ続ける場所のままだ。 「ひと月に35日雨が降る」という屋久島で育つものたちの中に身を置いたとき、 いったいどんなことを感じるのだろうかと、 光を浴びる目の前の屋久杉の断片に思う。 この断片だけでも、凄みがあるというのに。 屋久杉の木を剥いだままにあるこの造形物は、 (粋な木材加工集団)TIMBER CREWの小久保さんから2020年に頂いた。 その時を記憶しているのは、その前年の2019年の鹿児島での屋久杉の競市を最後に、 屋久杉は出回らなくなったことで、より貴重なものとなってしまったと教えてもらったから。 1993年に屋久島が世界遺産に認定されたことをきっかけに、2001年には屋久杉の伐採禁止、とうとう競市も終了。 素材としても木は暮らしの中に当たり前にあるようだけれど、本当は、どの木もそんなことないなぁと思うようにもなった。 まな板や家具や楽器に姿を変えた木ではなく、 また見上げたり、 雨宿りをさせてもらった木とも違うなにか。 薪ストーブを使う生活になったこともあるかもしれない。 庭に木を植えるようになったからかもしれない。 台風で大木が倒れ途方に暮れたこともある。 木を切り、運び、触り、嗅ぎ、燃やすということが 暮らしの中に入ってきたことで、 木の内側を想像するようになった。 想像するようになったが、とくに屋久杉においては、 想像し得ないこともまた感じる。 畝りは、生命の瞬間を捉え留めたカタチのままに、 ここに宿っていた(いる)生命力を今日も放つ。 さて、こんな大それたものをどう使おうか? と当初は思ったが、なんのことはない、 さすが屋久杉で、器にもなり、オブジェにもなり、 そして時には、私のいい話し相手にもなってくれるのだった。   photo: Kentaro Kumon

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もらい窓

ある日、窓がやってきた。 私の窓好きを知る、お世話になっていた方から 「アトリエを片付けていて、昔、ニューヨークで買った古い窓枠が出てきたんですが、窓好きのクリスさん、もらって頂けませんか?」 とメッセージが届いたのだ。 添付されていた写真を開くと、片手で持てるサイズの、 アーチ型の木枠の窓が2つ。 うぅ、すてきだ

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愛しのサラダサーバー

収集癖はないはずなのだが、見回してみると、いつの間にか増えているものがある。 器、本、鞄あたりは省いて考えると、たとえばドアノブ、たとえばサボテンモチーフのもの。 アンティークのサラダサーバーも、そんな一つだ。 大きなボウルサラダを毎日食べるわけでもないのに、 ついつい巨大なスプーンフォークが集まってくる。 レストランのベテランスタッフのように、 あの大きく長いスプーンとフォークを片手で軽やかに操る技も持ち合わせていないので、うまく使えた試しもないのだが、果たして今日はちゃんと使いこなせるかどうか? 日常に小さなドキドキを時々、密かなチャレンジをもたらすあたりも案外好きな点かもしれない。 サーバーは、一人の時には出番はない。 使ってもいいけど使わない。 家族や友人が集まった時に、みんなにおいしいものをサーブするために在るのだから。 持ちやすいものが好まれるのかもしれないが、 私はちょっと不恰好なものも愛嬌があるなぁと思うし、 きっと誰かをクスッとさせてくれるのではないかとも思う。 そういう私も、見るたびに、この大ぶりなサイズ感を面白く感じる。 遠近感、距離感を一瞬見失い、サーバーを手にすると、 自分の体の大きさが不思議の国のアリスのように変化する(気がする)のだ。 使いやすさ追求の末、いつの日からかトングという道具に その座を明け渡してしまった感もあるが、私としては、 その日の大皿に合いそうなサーバーを選んで置いた時点で 「さぁ召し上がれ!Bon Appetie!」とお皿は完成させたい。   photo: Kentaro Kumon

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Texture

家でよく触れるものは、指先の印象となるので、大切に思っています。 以前より愛用している富山のブランド「FUTAGAMI」のスイッチプレート。 手工業デザイナー・大治将典さんのデザインです。 無垢の真鍮。 鋳肌仕上げ、磨き上げない真鍮の素材としての美しさが、空間に馴染みます。 Oji & Design

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Goemon  -iron bathtub

この場所をどうつくるか考えていた時、 伊豆や沖縄の気になる宿に泊まりに出かけました。 緑が多く、海も近く、また限られたスペースだったこともあり、あえて似たようなサイズ感の場所を探して。 お風呂の空間は、なかなか決まらずにいたのですが、旅の中で五右衛門風呂に出会い、これだ!と思いました。 まろやかなお湯。窓からの景色。 すっぽり肩まで浸かり、身体の芯まで温まります。   一言で言えば、極楽です。

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Artworks

居る空間に、心に作用するものを置くのが好きです。記憶をくすぐるとか、考えていることのヒントになったり、落ち込んだ時の語りかけや、思わぬ自分との出会いだって、まぁありました。   だいたい、そういうものしか置いていないので、アートと暮らしの境目は、よくわからないです。   小さい頃から、祖父母の家でも友達の家でも、飾ってある絵や、なんでこんな人形が?というもの、器やカーテンの柄…とにかく、目に入るものすべてに興味がありました。ちいさな私は何を見ていたのでしょうか。   こちらは田中健太郎さんの絵です。 葉山のgallery kasperであった個展に伺った時に出会い、我が家にやって来ました。 これが好きだなぁ、としばらく眺めながら、なぜそう思ったのか、いずれわかるような気がするなぁ、と思いました。それはいつなのか?も楽しみです。   日頃、どこで目があったら一番いいだろう?とずっと考え続けています。 最近、Cafune の中でも、ここじゃないか?!と思うところがあって、まずは床に置いています。   いつも、まずは”床置き期間”を設けて、しばらくを過ごし、「よし!」となったときに、壁に。   耳のツボも日々変わると言いますが、家の中のアートのツボを探すのが好きで、もちろん、ツボが動くことも大いに見据えながら。

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Welcome!

裏が崖山のこの土地では、りす、鳥、蟻、蜘蛛、ヤモリ、その他、もう少し大きな動物も…そこここにいることが感じられます。   以前、オーストラリアのウルルに旅をしたとき、宿泊先の部屋に、小さなカードが置いてありました。   「Welcome!」ではじまり、そのあとに、「予期せぬ来客があるかもしれませんが、どうぞよろしく」といった言葉がつづき、その横には小さなトカゲの絵。クスッとしました。   Cafuneが生まれる前から、この場所に足を運んでくださっていた写真家の公文健太郎さん。 CafuneのHPを作るに際し、最初は雨、さらに、もう一度、晴れの日にも来てくださり、じっくり撮影してくださいました。 写真の中には、ハッとする、さりげない目線のものがたくさんあって、この一枚の写真を見たとき、ウルルのことを思い出しました。   いろんなものにとって、居心地いい場所にしたいと思いを新たにしました。   Thanks to Kentaro Kumon

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